「Bounce Now かんたん使い方ガイド」について

渡邉先生By 渡邉 孝子(Watanabe Takako)渡辺イングリッシュスクール(有)

幼い時期から英語を学ばせる最大の利点は、英語を音で理解できる耳を育てることができるということです。言語は基本的に音声でのやりとりです。どんなに高いレベルの英語力を身につけるにしても、まずは英語を音で理解する力を育てなければなりません。理想的には日常生活の中で英語を使うことです。私と夫、一保(奈良教育大学名誉教授、英語教育)は二人の子どもを英語で育て、結果子ども達はバイリンガルになりました。言うは易く行うは難し、で家族全員の努力の賜物です。今では娘は福井大学の英語教員となり、英語を使って授業を行い、息子もミャンマーと日本を舞台にした映画製作(“Passage of Life” 2015年公開予定)や日・英語の字幕の仕事をしています。

この家庭内バイリンガル教育から多くを学びましたが、第一は音声で英語の基礎力が築かれるということです。音声でのやりとりを重ねて子どもは聴く力と話す力を伸ばし、英語の知識を得ていきます。そして文字と音声を結びつけることができるようになると、声を出して読むことでその英文が既知の音の意味と結びついて容易に理解できてリーディングへと進むのです。児童英語教育の実践と研究を一保と共にして20数年、学会発表を行い、学術論文誌でも論文が掲載されました。(全国英語教育学会誌The Role of Reading in Early Childhood EFL Education, 1996; 日本児童英語教育学会誌、Developmentally – Appropriate EFL Writing for Japanese Elementary School Children, 2000)これらの論文の題が示唆するように、指導の基本は、指導にできるだけ英語を使い、子ども達との英語でのやりとりを大切にし、読めるようになったら段階別の読みの教材を使ってリーディングを多くさせて、要約や感想・意見文を書かせるということです。その成果の一つとして、高円宮杯全国中学校英語弁論大会の結果があります。この11年間で10回の予選県大会に1~3名が参加して努力賞以上の賞を得ているだけでなく、その内8回は全国大会に進み、平成24年には全国で4位に入賞しました。高校の県の大会でもこの14年間で9回参加し、全て3位以上の成績を収めています。この中・高の生徒達は、参加者のスピーチを聞いて内容を理解し、どのスピーチのどこが良かったかと評価もするのです。生徒が自分の意見を何度も推敲してまとめて、多くの人の前で自信を持って発表できる力にまで伸ばすことは英語教育の大きな目標の一つだと思っています。年長児の頃から時間をかけて教えているからこそこのような高いレベルまで指導できると思います。

さて、これから英語をご家庭やクラスで子どもに指導しようと思われている方は、是非英語での音声指導を基本に始めて下さい。そして最初は音声理解を楽しみながら進めていけるコースブックに沿ってレッスンを組み立てていかれる事をお勧めします。そこで私自身も実際に年長児と1年生を対象に使ってみて、子ども達が楽しく英語を覚えていく過程を目の当たりにして感心したのがBounce Nowシリーズです。これまで多くの英語のコースブックが出版されていますが、進み方が速かったり、一度に学ぶ量が多すぎたり、子ども一人での自学習には難しい、などの難点がありました。しかしこの度出版されたBounce Nowシリーズ(Starter, Book 1 – 6)ではこれらが改善されているだけでなく、これまでの英語教育の実践・研究成果が取り入れられている素晴らしいコースブックなのです。特徴をあげてみます。

1 クラフト: Black Line Masters
小さい子どもは工作が大好きです。自分が作ったものが英語教材になるので、
英語で表現するのが楽しくなります。楽しいとその時に使った英語も長く記憶に残ることになります。
2 歌
各Unitの英語表現が歌詞になっているオリジナルの楽しいリズムに乗れる歌です。歌のワークシートSong Activity Sheetも別冊のActivity Resource Bookに入っているので、表現の理解がより定着します。
3 ワークシート:Home Study Worksheets
WorksheetではUnitの到達目標の文法や表現の習得を強化するQ&Aなどの復習問題やReading やWritingも入っています。レベルが上がるにつれて書く量が増えていき、口に出して言える英語の表現を自然に書いていけるようになります。CDやMULTI-Romと合わせるとListening とSpeakingを加えた4技能の力をバランスよく伸ばしていくことができます。各Unitに2~3ページ、各テキストブックの巻末についています。
4 MULTI ROM
子どもが一人で楽しくコンピューターでインターアクティブに英語で遊べるゲームがついているMULTI-ROM教材がついています。
MULTI-ROMの内容
*テキストの音声教材(CD)
*各Unitに4ゲーム
楽しいゲームを何度もしながら各Unitの単語や表現を楽しく習得します。スコアーが出てくるので満点を取るために一生懸命覚えます。音声と文字と共に入ってくるので「聞く」「読む」力も強化されます。また上のレベルでは「書く」ことも入っているので楽しく一人でも学習ができます。このような自立した学習者を育てることは教育の目標の一つです。またパソコンの操作を早くから覚えることにもなります。
5 教科的内容
これまでのコースブックにはなかったアカデミックなトピックが扱われています。Book 1から6まで、各Unit末のBounce aroundのページはMath、 Social Studies、Natural Science、 Science、History、Literature、Geography、Musicのトピックを扱っています。読み物、問題、実験などがあり、内容も興味深く学べ、語彙も増えます。ここでのトピックから発展させてネットや図書館で調べて、書いてまとめると情報収集の力や書く力を伸ばすことになります。また調べた内容を発表するとプリゼンテーションの練習にもなります。これからの時代にはどちらも欠かせない必要な能力です。

このようにBounce Nowシリーズは4技能を無理なく伸ばし、また子どもが一人でもCDを聞いて、パソコンで英語のゲームを楽しみながら英語を習得できるようになっています。主教材でも副教材としても役に立ちます。例えば;
グループ指導をしている場合
主教材のコースブックとして使う。他の読み物などの教材も合わせてより高い到達度を目指す。
家庭で指導している場合
コースブックに合わせて英語表現を増やして日常的に使う。
家庭での英語学習では、日常生活で表現できることから聞いて使って学び、音声面から英語の基礎を築いていきます。しかし日常で使う表現も限られているで、このようなコースブックや読みの教材を使うことで様々な語彙や表現を学ぶ必要があります。
外国人の先生についている場合
週1~2回レッスンはあるが宿題が少ない場合に、補足的に家庭で自学習的に使う。
語学学校でレッスンを受けている場合
宿題がない、または少ない場合に補足的に家庭学習に使う。

Bounce Now Starter からBounce Now 3までは「かんたん使い方ガイド」がMacmillan LanguageHouse社のHPにあります。このガイドでは子どもの英語習得の特徴や効果的な指導法、替え歌やアクティビティーのヒントなどを詳しく書きました。参考にしながら、是非一度使ってみて下さい。