「子ども目線」のフォニックス指導

#8 中村先生

by  中村 麻里

幼児・児童への英語教育がますます注目を浴びる中、フォニックス(音声と文字の関連)指導も徐々に浸透してきました。子ども向けのフォニックスの教材も多くみられ、指導者にとっても選択肢が増えてきています。しかし、母語である日本語の読み書きをやっと覚え始めた幼児にフォニックス指導をするのは意外と難しいものです。

「楽しく繰り返し練習をさせるアイディアが思い浮かばない」 「鉛筆を持ち慣れていない子に合う教材がない」 「アメリカ人向けの歌は難しすぎて・・・」 など、これまで多くの先生方からご相談を受けてきました。
幼児から小学低学年向けのフォニックス教材『Phonics Farm』の執筆にあたり一番大切にしたのは「日本の子どもにとって使いやすいものに」ということです。子どもにとって使いやすい教材は指導者や保護者にとってもサポートのしやすい教材。そこから「楽しい→集中できる→上達する→楽しい」という好循環が生まれます。

「子ども目線」のフォニックス教材Phonics Farmには次のような特徴があります。

 

1.小文字だけを教える
みなさんの身の回りの洋書やウエッブサイトをみてください。ほとんどが小文字で書かれていますね。子ども英語教材の多くは大文字と小文字を同時に導入していますが、Phonics Farmでは小文字だけを導入し、英語にはじめて触れる子どもたちに身近な英語を「発見する」楽しさを与えます。
2.アルファベットの「音」だけをあつかう
アルファベットには「名前読み」と「音読み」があります。たとえば”a”の名前は/ei/ですが”a”の音は/æ/ですね。英語に触れる機会が少ない日本の子どもにとって、その両方を覚えることは容易ではありません。Phonics Farmでは音のみを繰り返し練習し、たとえばc-a-tという3文字を見たときにそれぞれの音をつなげてcatと読めるように導いていきます。
3.チャンツで音と意味をつなげる
こどもたちはリズムと動きを通してことばを覚えることが得意です。Phonics Farmの付属CDには60曲のチャンツが収録されています。子どもたちは、リズムにのって”alligator, a, a, alligator”と発音しながらワニが大きな口をパクパクさせているジェスチャーをすることで”a,” “alligator”の音とワニという意味を関連付けて練習します。
4.「ひとりでできるよ」を大切に
「宿題のページを見ても何をすればいいのかわからない。」これは子どもにとっても保護者にとってもストレスのたまることです。Phonics Farmは子どもたちを混乱させることはありません。課題はぬり絵、線むすび、なぞりなど家庭で楽しめるものばかり。取り組み方は子どもが直感的に理解できるアイコンで示してあります。また、保護者向けの「使い方の説明」(日本語)もテキストに含まれています。
5.フォニックスと会話を融合する
「フォニックスの練習はどうもドライになりがち」という声をよく耳にします。会話活動や絵本の読み聞かせで触れている表現をフォニックス活動にも取り入れることでよりダイナミックな活動ができるようになるでしょう。Phonics Farmには「動物」「ピクニック」「牧場」などの子どもたちが大好きなテーマの見開きシーンSpot the Pictures!があります。単語を楽しいコンテクストで提示しているこのページを使うと簡単にフォニックスと会話学習を結びつけることができます。
6.教室での発展学習を可能に
教室では子どもたちの興味やニーズに応じて、いろいろなタイプのアクティビティにチャレンジしたいものです。Phonics Farmのテキストにはカラフルで整理しやすい生徒用の絵カード、アルファベットカードが付属しており、ウェブサイト(https://www.mlh.co.jp/phonics/)には無料でダウンロードできる活動案集、ワークシート、教師用大型カードが用意してあります。(※専用ウェブサイトは教材をご購入いただいた方向けのサイト(要登録)です。)
このように子ども目線でフォニックス指導をとらえると、どのようなアクティビティを通して子どもたちがフォニックスを身につけていくか自然に見えてきますね。みなさんの教室でも、ぜひ「子ども目線」のフォニックス指導にチャレンジしてみてください。