英語への苦手意識を解消する授業を目指して

3 By  重光 由加 (東京工芸大学)

東京工芸大学の厚木キャンパスの工学部の英語の授業の一部をご紹介します。工学部では1、2年時の2年間必修の英語の授業があります。1年生は英語の基礎的知識の確認に重点を置き、2年生は就職活動や就職後に自分で継続して学習する方法を視野に入れた授業を展開しています。

 

ここでは、2年生の作文の授業と、3年生以上のコミュニケーション重視の授業を紹介します。実は、毎年4月に工学部の全新入生に行うアンケートでは、7割前後の新入生が高校時代に苦手な科目、嫌いな科目に英語をあげているので、まずまず、英語への苦手意識を解消することが肝心です。 22年生の必修の授業では前半はTOEICの問題形式に沿った練習を少し、後半はパソコンを使ったライティングを取り入れています。以前は、英語授業用のソフトを使っていたこともありましたが、今はワードを使った英文の書き方ルール、パワーポイントを使っての英語のプレゼン用スライドづくりなどが中心です。英文の中身も大切ですが、工学部の卒業生は、英文のマニュアルを作ったり測定結果のレポートを書いたりすることが多いでしょうから、自己流の英語の書き方ではなく、中高の手書きの時代ではあまり気にしなかったpunctuationや、箇条書き、レイアウトなどにも気を配ります。

写真は、架空の地図を見ながらその町の将来の都市計画について想像力も使いながら簡単なレポートを書いているところです。教卓からでも学生の画面を見たり、インターコムで個人指導したりできるのですが、学生さんたちは機械を通じてではなく直に接してほしいようなので、作文中は学生の間をまわります。また、友達同士で話し合ったり、教え合ったり、はげましあったりしているので、その中に教員も加わることもよくあります。なかなか傑作なアイデアも出るので、それをどのように英文にしていくかに最終的には注意を向けます。TOEICの練習という固い部分と、自由な発想で書くライティングのバランスが授業の鍵を握っています。

 

英語セミナーIIA、IIBという授業も紹介します。これは3年生以上の選択科目ですが、教職を履修している学生さんは必修です。テキストはマクミランランゲージハウスの『Keep Talking』を使っています。 1このテキストは、日本人が失敗しそうな日英の語用論的違いにも焦点があてられているので、異文化コミュニケーション比較も視野に入れられます。テキストの構成も相槌を打ってみたり、聞き返しをしたりという初歩的な会話の参加から始まり、質問したり自己開示したりという積極的な情報交換、詫びたり、断ったり、苦情を言ったりと困った場面での気遣いを重視した練習まであります。

写真はリスニングの課題中なので固い雰囲気ですが、会話練習になると場面や人間関係をよく考えた受け答えで、和気あいあいとした雰囲気になります。試験では創作会話のテスト(ほとんど劇)と筆記試験の2本立てです。4月は大人しかった学生さんも、相手の発話に対して必ず二言返すという習慣がついて、英語らしい会話の運びができるようになっています。

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